2020年12月23日水曜日

食品衛生学・微生物学実験 ~食品衛生化学実験編~

みなさん、こんにちは!お元気でお過ごしでしょうか?

キャンパスはすっかり(南関東の)冬景色です。

 

さて、本日は12月8.9日に実施されました「食品衛生学・微生物学実験」~食品衛生化学実験編の様子をお伝えいたします。

この実験では、食品分析で重要な前処理や、様々な機器を用いたを体験します。

また、得られたデータの適切な解析方法を学び、食品成分を正確に定性(物質の成分、種類を決める)、定量(測定対象の濃度、含量を決める)する能力を身につけます。

午前中はカロテノイドの分析を行いました。ここでは、市販野菜飲料🍹からカロテノイドを抽出したのち、分光光度計による測定から各カロテノイドを定量し、表示値と比較します。



まずは分析試料の調製です。TLC薄層クロマトグラフィー)や、HPLC (高速液体クロマトグラフィー)分析にも欠かせない前処理になります。

果汁を秤量し、ピロガロールを混ぜた後に有機溶媒(アセトン・ヘキサン混合溶液)で抽出します。

 

上澄みをガラスフィルターに移し、吸引ろ過します。アセトン・ヘキサン混合溶液が着色しなくなるまで、同じ工程を何度も繰り返します。沈殿物はビーカーに残ります。


メスフラスコに取り、アセトン・ヘキサン溶液でメスアップ(定容)し、よく振り混ぜまぜます。

 

溶液を「セル」と呼ばれる測定用の容器に入れ、測定する波長の数値を変化させながら、分光光度計で計測していきます。


計測された吸光度から、カロテノイドの含有量を求めました。

果たして、商品の表示値に近い結果は得られたでしょうか?!



今回の実験では、時間の制約もあり分光光度計による分析のみを行いましたが、例年は超高速液体クロマトグラフィーUHPLC)を使った分析も行っています。
UHPLCではカロテノイド類を10分以内で分析できるなど、HPLCと比べて短時間で結果が得られる優れモノです🤩


◇◇◇

午後は、トランス脂肪酸の分析です今回は、5種類の溶液(ラウリン酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,オレイン酸,エライジン酸)をモデル試料として用いて、機器分析で使用する試験溶液の調製方法を体験しました。



こちらの実験では、まず水流アスピレーターを使って、量りとったモデル試料を減圧濃縮します。

その後、10%硫酸-メタノール溶液を加え、誘導体化メチルメステル化)を行います。

誘導体化を終えた試料溶液にヘキサンを加え、液液抽出液液分配)を繰り返し行い、最後に硫酸ナトリウムを加えて脱水します。

最後にヘキサンで定容すれば試験溶液の完成です。




今回は、試験溶液の作製のみを行いましたが、例年は作製した試験溶液についてGCおよびGC-MSを用いて分析を行い、各種脂肪酸の定性、定量を行っています。

手前がGC-MS、奥がGC

いろいろな種類の装置があって、とても興味深いですね(*'▽')
分析をもっと深く学んでみたい!という学生さんは、ゼミ選択時に「食品分析学研究室」を検討してみてくださいね😉

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いずれの研究室でも、連日学生さんたちが卒論に向けて頑張っており👨👩、
先生方も授業や研究室でのご指導、その他諸々大変忙しそうです。
次年度配属も決定し、3年生の皆さんは待ち遠しいことでしょう!

2020年も、残すところあとわずかとなりました。

まずは健康ありきですので、皆さんくれぐれもお身体大切になさってくださいね。

元気に(Stay At Homeで)年末年始を過ごしましょう!

今年も当学科blogをお読みいただき、ありがとうございました!


◇◇学科事務室◇◇