2020年11月5日木曜日

食品衛生学・微生物学実験 ~「食品微生物学」編 ~

みなさん、こんにちは!

本日は、11/3.4に行われました2年次開講科目の「食品衛生学・微生物学実験」~食品微生物学編~をご紹介いたします。 ※例年とは異なる内容となっております。

この実験では、食品に関わる菌の特性と基本的な培養法を習得し、観察・考察を通して食品衛生管理に必要な知識を身に付けることを目標としています。 

一日目は、3種類の菌液(大腸菌Escherichia coli・枯草菌Bacillus subtilis・乳酸菌Lactococcus lactis)を、三種類の異なる培地、寒天平板培地・高層培地・液体培地に接種します。

 

試験管の中には3種類いずれかの菌液が入っていて、実験を通して推測することになります🧐。授業配信をしっかり観ていれば、難しくはないとか?!

寒天平板培地へは、画線法を用いた分離培養を行います。

先端がループ状になっているディスポタイプの白金耳で菌液を取り、シャーレ内の培地表面に線を描くように植菌します。

線描を繰り返すことで菌を希釈し、独立したコロニーが培養後に作られるようにします。

こちらは、白金耳で採取した菌種を液体培地に加え、攪拌している様子です。

液体培地や高層培地は、純粋培養に用いられます。

 

高層培地は緩めの寒天(軟寒天)で固めた培地です。接種方法は、先端が尖った白金線を菌液に漬け、空気が入らないように培地に一度のみ穿刺(せんし)します。 









30℃に設定したインキュベーターの中で、翌日まで培養します。
既に何番が何の菌であるか、 おおよそ見当がついている方もいらっしゃることでしょう(^^)


世間は祝日でしたが、参加されたみなさま・TAの方々・先生方おつかれさまでした!

◇◇◇◇◇

DAY2

24時間経過し、培養器から出した試験管やシャーレ内の菌の生育状況を観察します。

 

寒天平板培地上に摂取したもの以外の微生物の混入がなく、単一コロニーが形成されているかなどを確認します。


高層培地では、試験管内のどの部分に微生物が生育しているか、培地にひび割れが生じているか、液体培地では、濁り具合がポイントです。臭いなどはどうでしょうか?

コンタミネーションを起こさず培養できていたでしょうか。
①~③の菌の正体は、当たってましたか?!


最後にキャンパス秋風景🍂

大講堂前から見える木も赤くなってきました。











図書館近く。
葉っぱがかわいい木と呼んでいますが、何て名前なのでしょう?



コロナで閉鎖中のバラ園。
来年は入園できることを願います🌹





















今日は富士山がとてもきれいでした!










◇◇学科事務室◇◇

2020年11月2日月曜日

食品化学・分析学実験

みなさん、こんにちは!
11月に入り、早いもので今年もあと2か月となりましたね。

さて今回は、10月29,30日に1年生を対象に実施されました「食品化学・分析学実験」の様子をお伝えします。

入学後初となる実験の一日目は、三大栄養素:タンパク質・脂質・糖質(デンプン)をそれぞれに適した方法で検出し、衛生管理の基本である洗浄度のモニタリングを行います。

この実験では、定性(検出されるかされないか)と定量(何がどのくらい検出されるか)の違い、コントロール(対照)の重要性などの概念を理解することを目的としています。

◇脂質の検出◇
脂質はクルクミン蛍光反応を用いて検出します。クルクミンはウコンなどに含まれるポリフェノール化合物です。

ラードを塗布したビーカーにクルクミン・エタノール溶液を滴下し、軽く揺り動かして表面になじませませます。

その後、班ごとに指示に従って異なる方法で洗浄します。
脂質を付着させない陰性対照(ネガティブコントロール)と、付着させて洗っていない陽性対照(ポジティブコントロール)とで比較します。


紫外線を当てると、クルクミンが明るい緑色に発光する様子を暗室で確認しました。とてもきれいですね✨

◇タンパク質の検出◇
タンパク質の検出には、ニンヒドリン反応を利用します。



ニンヒドリン試薬は、有機溶媒であるブタノールに溶かします。引火しやすい特性があるので、弱火で沸騰させないよう加熱していきます。また、吸引しないように気をつけます。


タンパク質が残っていれば、ニンヒドリンがアミノ酸中のアミノ基と結合して青紫色に変色します。

◇デンプンの検出◇
デンプンの検出には、ヨウ素ーデンプン反応を用います。三角フラスコにデンプン液を滴下し、乾かしてから洗浄します。


ヨウ素/ヨウ化カリウム溶液を加え、デンプンが含まれていれば、赤褐色(アミロペクチン)~青紫色(アミロース)に発色します。

もち米にはアミロースのみが含まれ、うるち米にはアミノペクチンとアミロースがおよそ8:2の割合で含まれているそうです。🍚




久々の試薬の取り扱いやバーナー操作などで、少し緊張して疲れたかもしれません。
ゆっくり休んで明日に備えてください🍀






←キムワイプのLine Stamp


◇◇◇◇◇

DAY2
二日目はフォーリン・チオカルト法という分析法を用いて、市販のペットボトルの茶飲料中のポリフェノールの量を測定する比色定量実験を行います。

ワインやチョコレートで知られるポリフェノールですが、他にも植物性の食品の多くに含まれ、何とその数は5000種類以上とのこと!

知らず知らずの内に、毎日いろいろな種類のポリフェノールを摂取しているのですね(*'▽') 

なお、緑茶にも約6種類のカテキンが含まれているそうです🍵

カテキン濃度の測定には、まず正確な濃度を測るための「ものさし」となる検量線を作るために、カテキンと似た分子構造をしている没食子酸の標準溶液をつくることから始めます。


没食子酸標準液原液をマイクロピペットでマイクロチューブに移し、蒸留水を加えて段階的な水溶液を作ります。カチカチ・・・

必要に応じて、チップ(先端)を交換します








0(蒸留水), 2.5, 5, 10, 15, 20mg/100mLの標準液と、濃度が高いと測定しにくいため希釈したお茶のサンプルです。


水、飽和炭酸ナトリウム溶液、フォーリン・チオカルト試薬をよく混合します。

お昼休みの間室温に十分置いて発光させたのち、分光光度計で吸光度を測定します。
島津製作所の分光光度計 UVmini-1240










希釈溶液濃度の低いサンプルから、測定したABS(Absorbance:吸収・吸光度)値をプロットして検量線を作成します。

横軸が濃度、縦軸が吸光度で、うまくいっていれば、通常直線に近いものになります。

検量線を基に、後から分光光度計で測るお茶のABS(Absorbance):吸光度の値から、ポリフェノール濃度を算出することができます。

高校で文系選択だった方は、少し大変だったかもしれませんね(・_・ 
疑問点は解らないままにせず、💻📱📚調べたり、Classroom等で質問してクリアにしておきましょう(^^)/ 

入学後初の実験レポートも頑張ってください!


◇◇学科事務室◇◇