みなさん、こんにちは。
連日ムシッとした日が続いてますが、バテてないですか?!
久々の更新となりましたが、今回は3年次必修の『食品生物化学・工学実験』の様子をお届けしたいと思います☺
◆◆生物化学分野◆◆
◇動物細胞を用いた機能性評価◇
私たちの健康維持に必要な免疫細胞の一種であるマクロファージの細胞機能の変化を調べました。
画像はクリーンベンチ内で無菌状態にして、動物細胞(マクロファージ様細胞株J774.1)を乳酸菌とともに培養をおこなっているところです。
増殖した細胞を顕微鏡で観察し、血球計算盤を用いて計数しました。
ちなみに『はたらく細胞』では、かわいらしい姿に擬人化されて抗原と戦ったり、死んだ細胞や細菌を片付けたりしていますが、これはマクロファージが食作用をおこなっているところですね^^
◇酵素免疫測定法(ELISA法)によるサイトカインの定量◇
活性化したマクロファージが分泌するサイトカインの量をELISA法により定量し、細胞培養時の乳酸菌の添加の有無によりどのように変化するかを調べました。
大切な前処理である試薬の調整中 |
ELISA法は微量なタンパク質を検出する方法のひとつで、アレルゲンの検出にも用いられる方法です。
赤外線加熱天秤で測定した質量を関数電卓やExcelを使いグラフを作成し、溶液濃度と恒率乾燥速度・限界含水率との相関性などを考察しました。
◇出涸らし茶葉(茶殻)の粗ポリフェノールの抽出◇
◇タマネギ由来DNAのアガロース電気泳動◇
タマネギからDNAを抽出した後、電気泳動装置(ミューピッド)に掛けて分離させ、分子量の大きさや泳動パターンなどを観察しました。
マイナス電荷の核酸は、通電すると対極のプラスに移動し、分子量の小さい(塩基配列が短い)ものほど早く移動します。
◇PCR法による機能遺伝子の増幅◇
THP-1から抽出したDNAを、プライマーやDNAポリメラーゼなどの試薬と混合し、サーマルサイクラーで増幅させる実験をおこないました。(すみません、実験の画像はありません)
サーマルサイクラーは、温度の変化のみで特定の遺伝子断片を増幅させる機器で、温度・時間・増幅させるサイクル数をプログラムして使用します。
◆◆食品工学分野◆◆
◇乾燥による食品中の水分調整◇-乾燥機構と乾燥特性曲線-
固形食品の赤外線乾燥を行い、質量(含水率)の経時変化から乾燥速度を求め、乾燥特性曲線を作成して乾燥機構を考察しました。
モデル食品には、濃度を変化させた水溶液を含浸させた高野豆腐を用います。
溶液濃度は、乾燥に対してどのように影響するでしょうか?
ポリフェノール量の分析に使われるフォーリンチオカルト法(1年次の食品化学・分析学実験でてきましたね^^)を用いて、出がらし茶葉を真空凍結乾燥したものから粗ポリフェノールを抽出します。
飲み終わった茶殻にもまだまだポリフェノールは残存します。
有効利用の観点からも抽出特性を把握することは重要ですね(*‘∀‘)
溶媒:蒸留水とエタノール水溶液(モル分率0.1)
フォーリンチオカルト試薬を入れると発色が始まるので、ボルテックスミキサーで10秒攪拌します。その後吸光度を測定し粗ポリフェノール濃度を求めます。
抽出量の経時変化の曲線📈から鏡を使用して接線を引き、初期抽出速度を求めます。
初期抽出速度を縦軸、絶対温度の逆数を翌軸にプロットし、傾きから活性化エネルギーを求めます。(アレニウスプロット)
初期抽出速度を縦軸、絶対温度の逆数を翌軸にプロットし、傾きから活性化エネルギーを求めます。(アレニウスプロット)
3年次の学生さんにとって、『食品生物化学・工学実験』は在学中に学年全体でおこなう最後の実験となりますが、みなさんとても真剣に取り組んでいました。
今後は各自でテーマを見つけてゼミでも充実した時間が過ごせるとよいですね☺
長くなりましたが、お付き合いいただきありがとうございました👋
■学科事務室■