2022年9月30日金曜日

☆実習紹介☆基礎食品製造実習Ⅲ(研究)

みなさん、こんにちは!

今回も夏の実習から、3年次の希望者を対象とした基礎食品製造実習Ⅲ(研究)様子をお届けいたします。

当実習では、食品の健康維持・増進効果との関わりを総合的に学び、食品生命学(特に栄養・機能、機能性成分分析、食品製造などを通した食品開発)の観点から、食品を幅広く考えることを目的としています。

食品の先端研究をおこなっている研究機関の見学も企画されており、今年度は川崎市の公益財団法人 実験動物中央研究所実中研)とつくば市の国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機関農研機構)の食品研究部門を訪問しました。

農研機構では、3Dプリンティングをキーワードに、『革新的な食ソリューション』の実現に向けた研究を進めており、フードロスを減らす社会的使命感をもとに3Dフードプリンターを使った新たな食品開発への取り組みを見せていただきました。


箱の中には3Dプリンターで作製した立体的な文字や模様が入った食品サンプルが入っています。

味や物性をどのようにするかによって、インパクトのある夢✨の食品創成や介護食への応用など、いかに満足度が高くニーズに合ったものを作れるか、使用する材料や配合を日々試行錯誤して試されているそうです。

また、醗酵食品のメタボローム解析を通して知ることができる分析技術の紹介と核磁気共鳴装置(NMR)の見学を行ない、丁寧に解りやすく説明していただきました。

ドアの向こう側には高性能のNMRが設置されており、微量や複雑な分子構造をもつ試料でもその構造に関する精密な情報を得ることができるそうです。

学内のNMRに触れたことがある大学院生にも、とても興味深いお話だったようです。


実験動物中央研究所では、実験動物に関する最新の研究についてたいへん貴重なお話を伺いました。

また施設見学を通して、医療の発展と人々の健康・福祉の向上に貢献するための活動を知ることができました。

動物実験は、これまでに生命科学の発展、とりわけ医学や食品科学の領域では、生体への投与においての安全性や作用機序の解明など、社会への応用を考える際に重要な役割を果たしてきました。

今後も動物の福祉に配慮した、効率的で有効な医療や機能性成分の生体への利用にむけた取り組みのため、ヒト化モデル動物の応用などを含めて真摯に取り組んでいる研究者の姿が印象的でした。(引率教員より)

そのほか、高齢者の嚥下困難者へのとろみ物質の取り組みや、効率的なエネルギー確保のために応用が進められている中鎖脂肪酸など、機能性成分の実際の食品への応用に向けた企業の取り組みをご紹介いただきました。

また、商品開発や品質管理の業務などに従事されているOB & OGによるセミナーでは、現在の仕事が学生時代の経験や思いが少なからずその人生観に強く影響していることを興味深く拝聴しました。

最終日はスライドを用いての成果発表会です。

参加した受講生にとって、普段と違う学外実習や人生観のある話題に触れることができたことはとても刺激的で、内容の濃い一週間が過ごせたように見受けられたと引率の大学院生から伺いました。

暑い中移動も含め大変だったと思いますが、とても充実した一週間だったと思います。

先生方、TA・参加された学生さん皆様おつかれさまでした!

最後になりましたが、訪問先の企業様やセミナーをしていただいたOG・OBのみなさま、貴重な学びの機会を提供していただき心より御礼申し上げます。

■学科事務室■

2022年9月28日水曜日

☆実習紹介☆基礎食品製造実習Ⅰ(乳)

みなさん、こんにちは。
引き続き夏休み中の実習の様子をお伝えいたします♪
今回は、2年生の希望者を対象とした基礎食品製造実習Ⅰ(乳)です。

昨年度に引き続き、タカナシ乳業(株)様で長年ご活躍された講師の方をお招きし、学内にて乳製品についての講義と実習をしていただきました。

初日は『牛乳🥛』についてです。約1万年前に起源があるという乳の歴史や国内外の酪農や乳牛について、また牛乳の成分や乳製品の加工原理についていろいろと学びました。

牛乳の飲み比べや、珍しい業務用の製品⇒https://www.takanashi-milk.com/shopbrand/ct91/
の試飲などもさせていただきました。それぞれのニーズに応じて開発・商品化がされているのですね!

2日目は乳タンパク質がテーマでした。
こちらはヨーグルト製造で、種菌となる市販のヨーグルトの酸度を滴定で測定しているところです。

2時間後から約1時間毎に酸度を計り、発酵の経時変化を観察しました。

2日目の講義では、チーズやアイスクリームなどのさまざまな乳タンパク質のお話を伺ったり、乳酸菌や食品表示について解説していただきました。

こちらは午後のカッテージチーズ製造の様子です。の力を借りた簡易法で作りました。
牛乳を約60℃まで加熱したら、よく撹拌してモロモロの状態になるまでレモン果汁を少しずつ加えていきます。

上澄みはホエー(乳清)です。栄養価が高くはちみつ等を入れて飲料にしたり、他にも活用法がいろいろあるみたいですよ😃

ざるにあげたら完成。
クラッカーと共に🙏

3日目は、タカナシ乳業様で研究や商品開発などに携わっている方々にご指導いただきながら、モッツァレラチーズの製造をおこないました。
牛乳を加熱し、レンネットの粉末を少量の牛乳で希釈したものを牛乳に投入します。
しばらく撹拌させた後、静置するとだんだんと固まりができてきます。

こちらはチーズカッターを用いてカットしているところです。カッターを上から落とし、高速で270℃°回転させます。
大きなチーズカッターに驚き!
タンパク質の収縮を促すために5分間ほど撹拌させ、その後約90分間、36〜40℃に温度を保って発酵させます。
レンネット中の酸素活性が最も働きやすい温度で、子牛の胃の中の条件に近いそうです🐄。
pH値が5.4に近づくよう、定期的に計測します。

ざるにあげられたできたてモッツァレラチーズ、つやつやで本当に美味しそう!
すごい重さですね。。

ここからはいよいよお待ちかねのストレッチングと成型です。
お湯の中で捏ね⇒伸ばして折りたたみを繰り返すと、あの独特な触感が生まれるそうです。

ストレッチングの様子♪先生方もTAの院生、2年生の学生さんもみなさんお上手です!










こちらは成形の様子。つるんとしてとてもきれいです。
そしてなんと🍕まで!

造りたてのモッツァレラチーズを使用した熱々のピザなんて、ほんとうに贅沢ですね😻
愉しいと美味しいが詰まった大盛り上がりの3日目の実習でした。

最終日は乳脂肪がテーマです。
実習はバター製造に加え、ホイップしたクリームを使ってのカップケーキを作りです。
冷やした容器にクリームを入れ、温まらないように注意して激しく攪拌してバター粒を作ります。

バターミルク(分離させた残った液体)をプラカップに移しながら、バターのまとまりを作ります。


クリームを振ることをチャーニングといい、乳脂肪の塊を作っていきます。水相にあった油の相が転相してバター(油中水滴型)の状態になります。

講義でも乳化の二つの型、Water in Oil(油中水滴型)とOil in Water(水中油滴型)の違いについて詳しくお話をしていただきました。

こちらはカップケーキ作りの様子です。


コンビニなどで販売していたら、迷わず買ってしまいそうです。

最後は実習で作ったヨーグルトやカッテージチーズ、カップケーキなどを試食したり、実習を通しての質疑応答などで締めくくりました。


講師の松島さん、そしてタカナシ乳業の皆様、充実した実習を提供していただき有り難うございました。
学生さん同士も活発に交流し、楽しそうにしている様子がうかがえて安心しました。

新学期が始まったばかりでペースが戻らず大変な時もあるかと思いますが、がんばりましょうね!
それではまた👋

■学科事務室■

2022年9月27日火曜日

学術研究会~液体窒素でアイスを作ろう!~

みなさん、こんにちは!

本日は、当学科のofficialサークル学術研究会の活動の様子をお伝えいたします。

今回の実験テーマアイスクリーム製造プレ実験の様子を見学してきました。

液体窒素を使ったアイスクリーム製造は実際に見たことはなく興味深々です☺

◎製造工程
①牛乳・生クリーム・砂糖を沸騰直前まで熱し、沸騰直前まで加熱します。


②卵・バニラエッセンスをin

カルボナーラみたいの声(確かに!)



③液体窒素を投入します。
まるで雲海のように🏔




④滑らかさを調整するのに、さらに液体窒素を入れ撹拌します。

試食させていただきました🥄。卵の風味とコクがしっかりあって、ねっとりした甘みが強くすごく美味しかったです!



夕方からの本実験は50名超が参加するとの事で、にぎやかになりそうですね!

アイスクリームは一年中美味しいですが、夏のような暑さが戻ってきた日だったので尚更happyな時間でした。

学術研究会の皆さん、ありがとうございました!

■学科事務室■

2022年9月26日月曜日

☆実習紹介☆基礎食品製造実習Ⅲ(発酵)

みなさん、こんにちは。

キャンパスでは後期がスタートし、賑やかさが戻ってきました。

学生さんは夏休みにたくさん💪チャージできたでしょうか?

さて今回は、先日実施されました3年次希望者を対象とした基礎食品製造実習Ⅲ発酵)の様子をお伝えいたします。

発酵の実習では、静岡県富士宮市にある当学部の付属施設(FNEC)や市販品の大豆を用いて、大豆・米麹と食塩の配合割合を変えて味噌づくりをしました。

また昨年度発酵熟成させた味噌と、今回作製した味噌(熟成0日)に含まれる大豆イソフラボンの定量と香気成分の分析を実施し、熟成中におきる成分変化を検討しました。

◎味噌の製造

①割れや欠けがある大豆を取り除き、形のきれいなものを選定し水に一晩浸します。

②圧力鍋に入れ沸騰させ灰汁を取った後、大豆がやわらかくなるまで煮詰めます。

③指でつぶした際、耳たぶくらいの硬さになったらミンサーで細かくします。

煮汁は少し取っておき、後で調整に使います。

④食塩と米麹を秤とります。

⑤細かくした大豆・米麹と食塩を混ぜ合わせ団子状に丸めます。

⑥容器に手でしっかり押し付け、カビが発生しないように表面に食塩をまぶし半年ほど発酵熟成させます。

①~③

④~⑥


動画でもどうぞ♪


◎みそ中の大豆イソフラボンや香気成分の分析

この実習では、発酵食品の製造法を学ぶだけではなく、機能性や品質を保証する上で重要な分析機器を用いた成分分析もおこない食品成分分析の理解を深めます。

こちらは、大豆イソフラボンの分析で使用する試験溶液の調製を行っているところです。

発酵の有無により、みそ中の大豆イソフラボンの組成・含量がどのように変化するのか、クロマトグラムの解析から評価しました。
1年間発酵させた昨年度のみそと今年度作製したばかりの未発酵のみそを使い、HPLC (高速液体クロマトグラフィー)で分析します。

こちらは昨年度製造したみそ中の香気成分の分析をおこなっているところです。
測定に必要な試料をニードル内のファイバーに吸着させているところです。

セット完了👍


みその中に含まれる代表的な香気成分は、GC-MS(ガスクロマトグラフ質量分析装置)で分析しました。
分析対象の香気成分のにおいを実際に嗅いで、みその香りの複雑さを認識できたかと思います。

盛りだくさんの内容でしたね。
レポートも頑張ってください!

■学科事務室■