2022年11月22日火曜日

食品衛生学・微生物学実験のご紹介

 

今回は、2年生開講科目「食品衛生学・微生物学実験」のご紹介をします😊

この実験では、食品衛生上の主たる危害発生因子である微生物因子と化学的因子に対する概念や手技を総合的に学びます。


食品衛生微生物学実験

「食品衛生微生物学実験」では,食品衛生上問題となる衛生細菌である大腸菌や大腸菌群の検出,グラム染色法などの実験を通じて,食品衛生における微生物検査の操作法を修得します。


~使用する実験器具の一部を紹介~

ストマッカー:サンプルを懸濁させる。

ボルテックスミキサ:懸濁液を調整する。ブルブル振動する。


マイクロピペット:少ない液体を吸い取って計量したり、移動する器具


手指の表面付着微生物の実験や、サンプルから一般生菌数や大腸菌群の検出と測定などを行いました。


生菌数の測定での段階希釈中


食品中の微生物の測定・観察

近くで見るとこんな感じ

グラム染色法

1884年デンマークのChistian Gram氏により見出された細菌類を色素によって染色する方法。細菌を分類する基準のひとつ。
約178年も経過した現在でも細菌検査では欠かすことのできない重要な方法。
グラム陽性菌(厚い細胞壁を有し、比較的乾燥に強い菌)→青紫色
グラム陰性菌(細胞壁は薄いが外膜を有し、比較的化学物質に対して高い抵抗性を示す菌)→赤色
グラム染色の染色液


白金耳でスライドガラスに大腸菌と枯草菌を乗せる

染色液を乗せる

食品微生物学実験

「食品微生物学実験」では,食品関連微生物の取扱いに関する基礎および利用に関する実験から微生物の特性を学びます。食品に関わる微生物(細菌,真菌)を中心に無菌操作,顕微鏡の取り扱い,微生物の培養,計測,観察などの基礎的な操作を修得します。これらを通じて,食品衛生管理に必要な知識と技術を身に付けることを目標としています。

~使用する実験器具の一部を紹介~

日本酒造りに欠かせない黄麹菌のコロニー。ふさふさしています。
色々な食品関連微生物の純粋培養液


白金耳などの実験器具 キムワイプはキメが細かいので実験器具の拭き取りに。手前のバーナーは無菌操作で使います。

無菌操作・真菌の顕微鏡観察、酵母のアルコール発酵の解析を行いました。

バーナーで白金耳を火炎滅菌中

黄麹菌のプレパラート作製中。繊細な作業ですね。
食品関連微生物の検鏡中


次は「食品衛生化学実験」についてもご紹介したいと思います。

いよいよ秋も深まり、寒くなってきましたが、寒暖の差で体調を崩さないようお過ごしくださいね🍂

☆☆学科事務室☆☆


2022年11月17日木曜日

【実験のご紹介】食品化学・分析学実験

みなさん、こんにちは。元気にお過ごしでしょうか?

木々の彩付きも濃くなり秋が深まってきました。落ち葉のカーペットきれいですね🍂🍁

さて本日は、1年次必修の食品化学・分析学実験の様子をご紹介いたします♪

実験時の安全面や器具類の操作方法、また試薬の調整や廃液の処理など基本的な事もこの実験の中でしっかり学びます。

<定性分析実験>

目的:三大栄養素の検出を通じて実験における「コントロール(対照)」の重要性を理解する。

対照実験は、実験計画や操作がうまくいっているかを確認するための重要な考え方で、実験の基本となります。

三大栄養素(タンパク質・脂質・デンプン)をそれぞれでガラス器具に付着させた後、指示に従って洗浄し汚染が残っているかを調べます。(洗浄度のモニタリング試験

 タンパク質の検出:ニンヒドリン溶液にアミノ酸の持つアミノ基に反応⇒青~青紫に呈色します。

 



脂質の検出:ラードを塗布したビーカーを各班指定の方法で洗浄。クルクミン溶液を滴下し、UVライトを照射。脂質残留物があれば発色が認めらます。




おまけ

デンプンの検出:デンプンのアミロースやアミロペクチンの分子の中にヨウ素の分子が入り込み、複合体が形成され青~青紫を呈色します。



<定量分析実験> 滴定①食酢の酸濃度を測定する(中和滴定法)

目的:食酢に含まれる酢酸量を中和滴定法により求めるとともに、ビュレットを使用した滴定操作や酸と塩基による中和反応を学ぶ。

品質管理の一環として、食酢の「酸度」を知るためにメーカーでもおこなう分析法です。

👓アルカリ溶液や重金属を含む試薬を使用する為「保護メガネ」を着用します。




<定量分析実験> 滴定②水道水中の塩化物イオンの定量(沈殿滴定法・モール法)

目的:水質管理の標準的な塩化物イオンの測定法を理解し、沈殿の生成反応と原理を理解し、沈殿滴定による成分の定量法を学ぶ。



まだまだ実験は続きます。(本日から比色定量実験が始まりました。)
朝晩は随分冷え込むので、体調管理には気をつけましょうね🙋

それでは!

■学科事務室■